JCB元社員曰く「カードを使いすぎてしまうのは本人の金銭管理能力の低さによるのであって、現金決済でも同様に使いすぎているはず」「正しく管理する意識さえあればカードは無駄遣いなしに便利に使える」「カードを使って使いすぎてしまうのもひとつの経験であり、いい勉強である」

先に挙げたJCB元社員の発言は根本的に間違っていると思う。一つ一つの言明は事実かもしれないが、自らのサービスを是とし、顧客のクレームに言い訳をしているだけだ。消費者を向いていないし、顧客から理解されようという姿勢も不足している。

全ての顧客の金銭管理能力が高いわけではないし、金銭管理の勉強がしたいわけでもない。そもそも、決済にそれほどリソースを割きたくないというのが本音だろう。

現金は持っていればよいだけなので、コストはほぼゼロ。カードを使うと、否が応でも自らの金銭管理能力の低さを見せつけられる。ある人はそれにうまく対処し、ある人は呑まれてしまうが、いずれにせよカードさえなければ気づかない。気づいてしまうことが心理的な負担。

したがって、その心理的な負担を取り除くだけでなく、気づくことができてよかった、と思えるようなサービスにしなければならない。メールで当月の利用額を通知したり、予算管理や家計簿ソフトとの連携機能など、実際に何らかの役に立つサービスが求められているのではないか。

引き落としまでの期間を短縮し、借金感という心理的な負担を軽減するのも重要かもしれない。これは早くに資金を回収できるのでカード会社にもメリットがある。
少なくとも、顧客が求めているのはポイントとか保険とか商品券とかそんなもんじゃない。カードを使うことで賢く生活できるという、その理想図を見せてほしいのである。